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自分にとっての「親友」を考えさせられる
(2008-10-30)
「仕立て屋の恋」などの狂おしい愛の妄執だけでなく、「タンデム」「列車に乗った男」など、男同士の友愛もテーマのひとつの味としているパトリス・ルコント監督が本当に親友と呼べる存在がいないことに気づいた中年男の親友捜しの顛末を、皮肉を絡めつつハートウォーミングに綴ります。
主人公のフランソワには、フランスの演技派ダニエル・オトゥーユが利己的な主人公をここでも好演。『感じよく』なるために自分改革に勤しむ姿が可笑しかったです。
仕事のパートナーの彼女やフランソワの娘、壷にまつわるエピソードも実にうまく織り込まれていました。
終盤は、親友作戦の破綻と修復をめぐる、ルコント流のアイロニーが広がる巧みな作劇でした。クイズ番組「ミリオネア」が、ふたりの関係を修復する場として効いていましたが、フランス版が本家なんですね。最初は功利的であったが、次第に自分のごく身近に「ベストフレンド」がいることを知るようになるクライマックスがあり、さらにそれがもう一回ひねりを起こす演出が、笑わせ、ほろりとさせます。
アメリカでは、簡単に「my friend」という言葉を使いますね。その場合でも、「my best friend」とか「my close friend」というと意味が違ます。本作はフランス映画ですが、原題が、ただの「mon ami」ではなく、「mon meilleur ami」であることも意味深いですね。
5000本限定生産だそうですが、コアなファンにしか売れないということか。パトリス・ルコントは名匠だと思いますが、フランス映画自体が日本ではいまいちメジャーではないからなぁ...。

